子供美容医療の実態を医師が解説|施術例・リスク・親の役割とは - 西宮で医療脱毛・シミ治療なら【たろうメディカルクリニック】美容医療

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子供美容医療の実態を医師が解説|施術例・リスク・親の役割とは

美容医療に興味を持ち、実際に施術を受ける子供が増えています。子供の美容医療については慎重に考えたい保護者も多いでしょう。

そもそも、子供でも受けられる施術があるのか、あるとして安全に施術が受けられるのか、どのようなリスクが考えられるのかなど、さまざまな疑問が浮かぶことと思います。

本記事では、子供が受けられる美容医療とその年齢の目安や、知っておきたいリスク・注意点について美容医療の医師が解説します。

 

増える子供の美容医療

子供の美容医療は増加傾向にあります。10代後半や高校生だけでなく、中学生や小学生でも施術を受けるほど低年齢化も進んでおり、子供の美容医療は身近なものになりつつあるのが現状です。

 

当院が保護者を対象に行った独自調査でも、12.3%が「子供から美容医療を受けたいと相談されたことがある」と回答しています。

実際には、親に相談できない子供もいると考えると、美容医療に興味を持っている子供は少なからずいるということが分かります。

 

当院が実施した独自調査の結果について、さらに知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

関連記事:子供の容姿をめぐる悩みと向き合う|独自アンケートから見えたルッキズムへの対応策

 

近年では、自身の美容医療の術前・術後についてSNSで発信するインフルエンサーも多く、インターネットを通して美容医療に関する情報を容易に取得できる状況も低年齢化を後押ししているようです。

 

夏休みなどの長期休暇に合わせて美容医療を受ける子供も多くいます。

子供の美容医療は何歳から可能?

低年齢化が進んでいるとはいえ、成長段階の子供が美容医療を受ける際には注意が必要です。そもそも、何歳から施術を受けられるのでしょうか。

 

医療脱毛の場合、何歳からという決まりはありません。当院のように、6歳以上からなど、10歳以下でも受けられるクリニックもあります。

 

美容整形については、クリニックによって異なるものの、目安は次の通りです。

施術内容 年齢の目安
ほくろやあざのレーザーによる除去 5~6歳ごろから行われることがある
二重まぶたの形成 クリニックによって異なる。メスを使わない埋没法では、10歳くらいから。
切開法では12歳以上からなど、手術の内容によっても異なるケースが多い
ワキガ・多汗症治療 第二次性徴が始まる12歳ごろ以降が目安

 

二重まぶたの形成手術は、逆さまつげの改善を目的として行われることもあります。

逆さまつげを気にしてこすりすぎてしまい、眼球に負担をかける子もいます。

二重まぶたを形成することによって、まつげが上を向き、逆さまつげを改善できます。

前述した通り、美容医療や美容整形を受けられる年齢はクリニックによって異なります。

そもそも子供に施術をしていないクリニックもあるため、クリニックを選ぶ際には施術を受けられる年齢も確認しておく必要があるでしょう。

子供の美容医療のリスクと知っておきたい注意点

美容医療を受ける前に、子供の美容医療にあるリスクと注意点を把握しておきましょう。

 

美容医療は、適正年齢以下で施術を受けるとさまざまなリスクが高まります。特に外科的治療が必要になるケースでは、発達の途中で施術を行うことで、骨などの成長を阻害してしまうことがあります。

 

施術によるリスク以外では、本人よりも親が子供の美容医療を望んでいるケースや、いじめの解決策などのために美容整形を選択しているケースもあるため、「本人が本当に望んでいるのか」「本当に必要か」をよく話し合う必要があります。

 

美容医療を、何らかの課題に対する完全な解決策であると本人が思い込んでしまっているケースもあります。学校などで容姿いじりからいじめに発展し、いじめを解決するために美容医療を受けたいと考える子供も少なからずいます。

 

受ける施術によっては、ダウンタイム中の休校や通院などで生活に支障が出る場合があることも把握しておきましょう。また、大人でも注意したい美容医療への依存リスクも、親子で理解しておきたいことの一つです。

子供の美容医療で考えられるトラブル

美容医療では、契約や施術に関するトラブルが発生するケースもあります。

実際に、全国の消費生活センターなどには、次のような相談が寄せられているといいます。

 

SNS広告で「10万円で全身脱毛ができる」とみて、クリニックで無料カウンセリングを受けた結果、広告とは異なる高額なサービスを契約してしまった事例です。クリニックで「広告にあった10万円の全身脱毛を希望している」と伝えたものの、より効果の高い施術をすすめられ、70万円のサービスを契約。クーリング・オフを申し出てもクリニックが認めないという相談がありました。

 

このようなトラブル以外では、親が子供の美容整形に積極的で、子供は納得していないにも関わらず施術を受け、メンタルヘルスに悪影響が出てしまうこともあるでしょう。

 

美容医療の低年齢化により、10代からの相談は年々増加傾向にあるといいます。

 

 

全国消費生活情報ネットワークシステムに寄せられた美容医療サービスに関する相談は、年間2,000件前後で推移しており、10~20代が契約当事者の相談は件数・割合ともに増加傾向にあります。

「美容医療を受けたい」と言われたら、専門家も含めた対話を

子供に美容医療を受けたいと相談されたときには、その気持ちや意見を否定せず、まずは理由を聞いてみましょう。

子供からの相談に対して、反射的に「NO」と否定してしまう親も少なくありません。しかし、「なぜ美容医療を受けたいと思ったのか」を聞くことで、子供が抱える課題が見えてくることもあります。

 

その結果、美容医療ではなく心理面でのサポートが必要なケースもあるでしょう。この場合には、メンタルヘルスの専門家への相談が必要かもしれません。

 

子供本人が美容医療に積極的な場合には、美容医療機関の医師に相談してみることも大切です。

事前カウンセリングで不安点や注意点を親子で把握し、正しい情報をインプットしましょう。本人の納得感を考えながら子供の意思と医師の見解、親の気持ちを照らし合わせ、すり合わせていくことで、施術後の後悔や美容医療への依存防止にもつながります。

子供とともに考えてみよう

子供の美容医療は今や特殊なものではなく、身近な話題になりつつあります。小・中学生でも美容医療を受けている時代だからこそ、施術可能な年齢やリスク、注意点について正しく理解しておくことが必要です。

 

親としては「ダメ」と否定するのではなく、子供自身の気持ちや背景にある悩みに丁寧に耳を傾けるようにしましょう。

 

そして信頼できる医師との対話を通して、リスクを理解したうえで慎重に検討することも重要です。本人の納得と安心が、将来的なトラブルや後悔を防ぐカギとなります。

飯沼ドクターからのコメント

美容医療の広がりにつれてさまざまな問題が提起されています。その一つに、子供に対する施術の是非があります。

「大人が受けるものとして認識されていた施術を小児が受けてよいのか?」これはさまざまな問題を内包しており、突き詰めると、美容医療そのものの意義に関する問題に向き合うことになります。

残念ながら、この問いに関して明確な答えはありません。

そもそも、子供を想定していないため安全性や効果に関してきちんとしたデータがありません。また、一言で「子供」といっても、精神的・肉体的発達の程度や性格・考え方など各個人で差があります。そして、法律による一律な適応基準はありません。

ではどうするのか?
現時点では小児に対する美容医療の判断は各クリニックに委ねられています。

医師がその施術を許可する場合は、治療を受けるかの最終判断は本人とその保護者が下すことになりますが、よく考えることが重要です。メリット・デメリットは言うまでもありませんが、「いま本当に必要なのか」を考えることが最も重要です。

大人に認められている施術であれば、いつか受けることができる日が来ます。一度に決めず、いろいろなクリニックで話を聞いてみるとよいでしょう。

医師プロフィール

飯沼 義博

 

経歴:

1999年大阪大学医学部卒業

1999年より、大阪大学医学部附属病院、長野県飯田市立病院、大阪警察病院に勤務

2013年のべ11年間勤務した大阪警察病院を退職(最終職位 医長)

2013年美容外科・美容皮膚科診療を開始

2016年たろうメディカルクリニック 勤務

日本形成外科学会専門医、日本美容外科学会(JSAPS)正会員

 

『子供の美容医療に関する調査2025』調査概要

  • 調査期間:2025年6月4日(水)~6日(金)
  • 設問数:
    ・スクリーニング調査:3問
    ・本調査:10問
  • サンプル回収数:
    ・スクリーニング調査:5,000
    ・本調査:300サンプル
  • 対象:小学生・中学生の子供がいる男女(美容医療従事者、関係者を除外)
    ※過去に子供に美容医療を受けさせたことがある対象も除く

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